多分「笑っちゃえセカイ系」なのね、榎本ナリコ「世界制服」。

榎本ナリコがまさかのギャグ!だが面白い!」とネット上で評判いいみたいなので買ってみたのですが、んんん?と思いながら読み進めているうちに終わっちゃいました。
なんとなくネットコミックっぽい薄さであんましはまれないなーと思ってあとがきマンガ読んでたら、「世界系」という単語が出てきたので、んん、なんだっけそれ?と思って調べてみました。
ほほう、「社会」をすっとばして「キミとボク」とで完結したワールドで世界を救ったり救わなかったりする少年少女な感じの物語ね。ふーんふーん。エヴァとかもそういうのなのかしらね。あ、最終兵器彼女とかか。これなんかタイトルからパロディにしてるじゃないですか。
と、「セカイ系」なるもののパロディ、だと認識したうえでもう一度読み返したら、ようやく合点がいきました。私はどうも「セカイ系」にはまれないので元ネタをあまり知らないのですが、そのハマれない理由である「主人公が独りよがりで自分勝手」「設定も唐突なうえに理屈が分からない」というところをギャグにしたらこんなに薄っぺらくなるのよーん、という提示なんだな、と思ったら結構面白く読めました。特にエピソード0の「高卒エスパー光」は「彼のために世界滅ぼしちゃって」から「彼に怒られて世界復活させちゃって」の適当さと、主人公のかわいさと、ちょっと感動話になりそうなのにならないところが良かったです。
とはいえこういう「自分いろいろ好きなもののパロディ描けて楽しいです!そして元ネタをしっているあなたも楽しいでしょ?でしょ?」という同人ノリな感じのパロディはじっくり読んでると恥ずかしくなってくる上に、作品の性質上仕方ないんだけどネット用語が多用されていて、そういう用語が紙媒体に印刷されてるのにすごく抵抗があるから、どっぷりとは楽しめないですねえ。どうしても距離を感じてしまいます。ごめんね。あ、「イヤボーン」って言葉は名言だと思ったら「サルまん」のネタなのね…すみません読んでません、コージ苑の絵が苦手で手をつけていません。あーやっぱいろいろ読んでないとパロディとか楽しめないねえ。ほんと無知でごめんね。
にしても榎本さんて(ちゃんと読んだことないけど)私のイメージでは「抒情+エロ+二次創作+ビーエル」な作品が多くて、このマンガってそういうイメージから一見遠そうに見えるけどむしろ逆で、実は今までものをぺろっと裏返しにしたらこんなギャグがでてきたんじゃないかしら、と思えます。と考えると、榎本さんの過去作品読んだ方がセルフパロディとしても楽しめる部分があってお得なのかもしれませんね。