もっかい行かんとあかんね国立国際美術館「絵画の庭 ゼロ年代日本の地平から」。

「1時間ぐらいで見れよう」といそいそと館に向かい4時ごろに見始めたのですが。
すんません、舐めてました。全然時間足りませんでした。ラストの草間弥生までたどり着けませんでした。
八割ぐらい初めて見る作家さんで、正直「?」て人もいたんですが、特に解説がなくても「おおおおっ」とぐいぐい引き込まれてしまう作品がいっぱいあるのは、同じ時代同じ国で同じ空気を感じている人が描いてるから、とか言ってもいいんでしょうかね。
特に女性作家さんの作品に好きなのが多かった。そもそも女性作家さんの出展が凄く多かった。村瀬恭子さんは初めて知ったのですが、よいですね、植物に飲み込まれるようにどこかへと去りゆく少女の絵。パステルカラーがきれいなのに寂しげで、なんというかこう白昼夢のような。見入ってしまいます。中山玲佳さんの「safarism」シリーズの、黒地に白い花(のようなもの)とカラフルな背景に立たずむ黒い動物の対比も、だから何だといわれると困るのですが「ああ、生き物だなあ」というよくわからん感銘を受けました。小沢さかえさんは、タイトルがちょっと恥ずかしいけど、「ものがたり」の悪意と善意がごちゃまぜになってて結構好きです。
男性だったら花澤武夫さんの作品が和も洋もメルヘンも幾何学もなんでもありで面白かった。正木隆さんの無限の空間や、秋吉風人さんの「ああ、引っ越してきたばっかりの部屋の隅っこ!」っていう記憶の掘り返しも、って言ってたらきりがない。いろいろ良かったのです。
きりがないんだけどどうしても一つだけ言いたいのは、会田誠さんの作品では、「ジューサーミキサー」ですりつぶされる無数の裸の少女たちや、「滝の絵」で描かれるセーラー服およびスクール水着の少女たちよりも、「あぜ道」で描かれる二つ分けにくぐった後ろ姿の少女の髪の分け目から見える頭皮の感じが一番フェチでエロスだと思ったのです、ということです。あ、あと襟足の雑な後れ毛も。この人ってどんな変態なんだろうかと思うとわくわくする。実はそうでもなかったりしたらちょっと残念だなあ。
図録も分厚いのに1600円ってお買い得!て思ったのですが、四分の一ぐらい文献資料でした。でも十分価値のあるそれだと思います。とはいえ図録ではやっぱり行って見た時のインパクトが蘇るわけもないので、会期中にぜひとももう一回は行ってみたいと思うのです。でないと草間さんに噛みつかれちゃいそうだ。