単行本は借りてみましょう。

物凄くそばに物凄く大きな図書館があるのにあまり活用してませんでしたが、最近仕事で使いだしてから割といくようになりました。
文庫落ちしてない単行本買って外したときのショックったらないのですが、図書館だとその痛みが半減されます(主に金銭面で)。なので読んだことない人のも読みつつよく読む人のも読みつつ。今回6冊借りたのでやっと半分。

金原ひとみ「アッシュベイビー」…「蛇にピアス」は最初の1ページ目で「痛い!」と思って読むの止めたんだけど、これは最後までがっといけました(や、これも痛いんですけど、個人的にピンポイントで苦手な部位とか描写があるのは「蛇にピアス」の方なので)。かなり性的な単語やら描写が直截的で、「そんなはしたないこと言っちゃいかんよ!」とはなるのですが。アヤとホクトのいる空間が怖い。ホクトは一体何をどうしたいんだろう。そしてアヤはめちゃくちゃなんだけど、好きです好きですとあほみたいに言い続けても何もなくて空っぽででも好きで殺してください、という思考はそんなにめちゃくちゃじゃないと思う。

・川上博美「ハヅキさんのこと」…むううう。雑誌読んでて、この中の一編が掲載されてる、とかだったらいい気がするんだけど、続けて読んじゃうとちょっと「もうその感じのおかわりは結構です…」と言いたくなってしまう。特に後半。川上節(ライトバージョン)のメドレーな感じです。前「真鶴」はそんなに…と言ったけど、こういう感じよりはあっちのがいいかも。この本の中だったら「ぱちん」みたいなのは好きですね。

桜庭一樹「私の男」…こういう「今」から過去に戻っていく描写方法って、ほんとに悲しくなる。もう、未来はない、って言われてるみたいで。若干ミステリー要素も入っているのであまり具体的な感想はやめときますが、大塩さん目線での風景が気になります。そして、「おとうさん」と呼ぶのと「淳悟」と呼ぶのは、花にとっては同じことなんでしょうか。「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の「好きって、絶望だよね」という言葉を思い出しました。


あと3冊あるけど、今回借りたの女性作家がほとんどだな。次回はもうちょいバランスよく行かねば。