「あたし彼女」で翻訳コンニャク。

ちょっと前に「現代語訳」だの「あたし彼女風変換ソフト」だの出てて気になってたんですが、ケータイ小説の言語って、もう日本語じゃないってことなんでしょうかね?日本語と共通の文字・単語を使ってるけど別の言語ってことでしょうか?
だとしたらぱーぷる師匠はすごいなあ、齢80にして別言語で小説書いちゃったんですから。しかし残念ながらゆかしい日本語の使い手だけあって、師匠の頭の中では「芸人」=「旅芸人」に翻訳されてたようですが。

で、翻訳で思い出したんですが、梅田のスカイビルに向かう道のフェンスに「少量法律助言者」ってお話が書いてあるんですね。原倫太郎さんって人が、「一寸法師」をいろんな翻訳ソフトで日本語→英語→日本語、と再変換させてできたお話なのですが、これがかなり面白い。原型をまったくとどめていないのです。「あ、この単語がああなってそうなって…ええ、これ?」と想像できて楽しいです。

ということで、そういうの、この「別言語」なケータイ小説でも同じようなことできるのか挑戦。もう誰かやってるかもだから検索すれば早いんでしょうが、まあ自分で何事もやってみるのは大事かな、と。


まず原文。冒頭です。こういうの丸々引用しても怒られないのかな?まあいいや。どうせ見てなかろう。

あたし彼女
プロローグ

アタシ
アキ
歳?
23
まぁ今年で24
彼氏?
まぁ
当たり前に
いる
てか
いない訳ないじゃん
みたいな
彼氏は
普通
てか
アタシが付き合って
あげてる
みたいな

いちいち行間あいてるのはもう詰めさせていただきました。長くなってしゃあない。



はい、で、これ翻訳してもらいます。まず「翻訳」で検索したら1番にでてくるExciteさん。

She me
Prologue

Atashi
Aki
Sai?
23
It is this age and 24.
Boyfriend?
まぁ
To natural
It is.
てか
Translation that not is
I do not want must to see.
The boyfriend
Usually
てか
Atashi associates.
It gives it.
I do not want must to see.

「あたし」は認識するのに「アタシ」はダメなのね。
「歳」も「Sai」になっちゃったね。なんでわざわざ読みづらい選択したんだろう。
「まぁ」は「ぁ」の小文字が難しかったのかな?
で、これを日本語に。エキサイトさんはこの再翻訳が流れでできるので素敵。

彼女、私 プロローグ

Atashi
アキ
齋?
23
それは、この時代と24です。
ボーイフレンド?
まぁ
生まれつきの名手に
それはそうです。
てか
翻訳、それはいません。
私は、見るために必須が欲しいと思いません。
ボーイフレンド
通常
てか
Atashiは交際します。
それはそれを与えます。
私は、見るために必須が欲しいと思いません。

「齋?」って。だからなんでわざわざ変換の難しい漢字を選ぶんだ。しかも意味も通じない。
「生まれつきの名手にそれはそうです。」がなかなか深い。そうですよね、生まれつきの名手なら彼氏がいてもそれはそうですよね。「てか Atashiは交際します」って宣言しちゃいますよね。
でも翻訳はいません。それはいません。



次、ヤフーさん。

I she prologue

I
Aki
Is it 歳?
23
Oh, it is 24 by this year
Is it a boyfriend?
Oh
Commonly
There is it
てか
There is not it; is easy
I want to look
A boyfriend
Normal
てか
I go together and
I put it up
I want to look

やっぱり「てか」は難しいようですね。意味ある日本語として認識いただけないようだ。
でも「歳」は変換できてもいいと思うんだけどな。単漢字で来るとおかしくなるのか?
「いない訳ないじゃん」がなんで「There is not it; is easy 」なんだろ?あ、「いない/訳(わけ)ないじゃん」か。なるほど。高等だな。
ではヤフーさんで再翻訳。

私彼女が、発端となります


アキ
それは、歳ですか?
23
ああ、それは今年までの24です
それは、ボーイフレンドですか?
ああ
一般に
それがあります
てか
それがありません;簡単です
私は、見たいです
ボーイフレンド
標準
てか
私は、一緒に行きます、そして、
私は、それをつけました
私は、見たいです

「ああ、それは今年までの24です」。なかなか沁みる表現ですね。嘆息したくもなりますよね。
「それがあります てか それがありません;簡単です」ってなんだか分裂気味に。「訳ないじゃん」がこんなところで効いてきました。



あといくつかやったけどもう飽きてきたのでこれで最後。
メジャーリーグの球場にまで笑いを運んだグーグルさん。

She I
Prologue

ATASHI
Aki
Years?
23
Oh this year, 24
Boyfriend?
Oh
For granted
The
Handcuffs
Translated by not NAIJAN
Like
A boyfriend
Common
Handcuffs
Have been dating ATASHI the
Do you give
Like

Handcuff?手錠?んー、「てか」をどう頑張ったらそう解釈できるんだろう?いや、頑張ったのは分かるんだけどね。
「Translated by not NAIJAN」もよく分からん。「ナイジャンの手にはよらない訳」?「ナイジャンがいないことによる訳」?
あ、でも、えらいよ、今までの人みんな「みたいな」を「見たいな」にしてたのに、この人だけ「Like」にしてる。
「歳?」もちゃんと理解してるしね。これはいいんじゃないですか?
思いがけず賢いグーグルさんに期待して再翻訳。

彼女は私
プロローグ

ATASHI
アキ
年ですか?
23
ああ、今年は24
ボーイフレンド?
オハイオ
当然
その
手錠
NAIJANしない訳
好き
ボーイフレンド
共通の
手錠
ATASHIは、付き合っている
を与えるか?
好き

「まぁ」→「Oh」→「オハイオ」…オハイオのそんな略し方知らなかったよ。さすがグーグルさん、想像の上をいってくれるなあ。
しかしオハイオ以前まではかなりいい感じになってますね。「年ですか?」なんてむしろ原文よりまともな日本語になってるじゃないですか。「Translated by not NAIJAN」も、再翻訳すると大分元に戻ったし。「Like」が残念ながら「好き」になってしまったけど、これもケータイ小説にはありそうな字面だし。「手錠」とか言い出しそうな気もしなくもないし。単語だけみてると割とはまっているんではない?もしかして、グーグルさん、意外とケータイ小説と相性良し?




ううむ、長くなった割に「少量法律助言者」ほどに面白い文章はできませんね。
あれはもっと何回も再翻訳繰り返してやってるのかな?
そもそも中1英語レベルの単語で翻訳できる文章だから、英語にしにくい部分も少ないんでしょう。
しかし助詞がないのと改行が変なのとで翻訳ミスが起こりがち。
「てか」「いない訳ないじゃん」「みたいな」はどうもどの人も苦手のようですね。このあたりが「日本語」と認められてない言葉と考えられるのではないでしょうか。
今度は「非・日本語」がもっと多い部分を選んでチャレンジしてみましょう。