役場の人ってがんばってるのね岩本ナオ「雨無村役場産業課兼観光係」。

えーー。とりあえず。銀ちゃんがよいです。好きです。結婚してください。
このかっこよさは「うさぎドロップ」の大吉さんに通じるものがあります(いや、うさぎドロップまだ1巻しか読んでないんですが)。「地に足ついてる」というか、「半径3メートル(by駿)を守っている」というか、そういう感じがすごいいいです。それでいて無理していないし。他に選択肢もあるのに、自分にとって大事なものはこっちだ、というのを自分の意志でつかんでいるところが大層素敵。
と感じるのは、自分がそう出来てないからなんだろうけどね…。田舎、ねえ。うん、こんな感じですよ。何でも筒抜けだしね。とはいえうちは曲がりなりにも自治体的には町なので(自慢にもならんが)、どっちかいうと地区の寄合とか、そういうイメージですかね、おっちゃんらのあのぐだぐだ感。いいところであっても、活気ってそうそうでないもの、なのですよね。だから一回都会知ったら戻ってこなくなるし。戻ってこようにも元ヤン的に地元密着型の子が多かったりするからもはや馴染みがたいし(ただこれは、「目立つのが元ヤンな子」てだけで、意外とそうでない子も実際はいて仲良くできるものですけどね)。けど、外の楽しいところを見たのに戻ってきて、「いいところだと知ってもらいたい」と言えるってのはかっこいいなと思うのです。
あと、元カノの結婚式に行くくだりもいいです。「心から祝ってやれない奴がいるのはダメだろ」とか言いながら、きっちり「おめでとう」といって感激して泣いてしまえるとか。それで自分の大切なものも感じられるって。いい奴だ。ほんと。ブラボー。
でも、いい奴なだけでは、恋には落ちられないんですね、メグちゃん。切ないなあ。ほんとうにいい奴だっていうのは心底分かってるのにやっぱスミオが好きなんですね。そんなもどかしい中「(カップルの)ふりをしろ、1000円だっ」と手をつなぐ銀ちゃんがかわいい。いつもかっこいいくせに手を握られたらちょっと緊張するメグちゃんもかわいい。うまくいけばいいのに。ああでもそうなるとスミオくんが本当に帰ってこられない?どうなるんだろ。
あと、書き下ろしの「in高齢化社会」がずきずききます。この方のマンガは、家、とか、家族、とか、地域、とか、そういうのが大事に描かれているので、そういうところを見ないふりしてる身としてはなんかもう泣けてきます。
それにしても、ひとつ分からんところが。マユ子はいい女なのか?メグよりだいぶん手抜きな描き方じゃないか。会話も別に盛り上がってなさげだし。血色がよいからか?巨乳だからか?後者の理由なら、あんなに素敵な銀ちゃんといえども少し遠くに感じざるを得ません。