期待は雲の彼方へ「GOD DOCTOR」。

大宮エリーさんの作・演出だって言うから、板尾創路さんの御出演だって言うから、もうそれは会社早退して見に行くしかないでしょ、ともりもりと気合入れていったのですよ。
ん、ん、んーーーー。どうだろう?どうなのだろう?
「GOD DOCTOR」になるための修行を積む5人の元にやってきた板尾さん演じる人間の悩みを皆がそれぞれの治療法で治そうとするけどどうもうまくいかず、どころか自体はどんどんひどくなり…って物語は進んでいくのですが。
まずねえ。板尾さんが生きてないというか…ドクターたちが個性満々なのに対して極力没個性な役どころというのは分るのですが、じゃあそれ板尾さんじゃなくてもいいんじゃないですか?いや、むしろ板尾さんじゃない、本当に舞台俳優の方がやった方がはまってくる気がしますよ?と…。本当の本当に「普通」な感じになってしまって、せっかくの板尾さんなのにもったいないなあ…。いいように考えればミステリアスな雰囲気は出てたのかもですが…。板尾さんなんだから板尾さんしかできない役で見てみたいじゃないですか。

あとネタばれで感想のみ書くけど、もう公演終わってるからいいよね。

ハッピーエンド迎える人とバッドエンドの方々とがいるわけですが、なんとなくその差が分んない。あえて言うならラストの部分で「人間」を認めるか認めないかだけど、それまでの流れもそんなに無かった気がするし…。ギョンギョンとひかりちゃんの差なんてギリジンのこと好きかどうかだけじゃない。もし飛び降りたのがギリジンじゃなくて雄基だったら、きっとギョンギョンが飛び降りていたはずよ。あ、でも、そこで山下真司が飛び降りてたらどうなってたんだろう…女子はきっとついていかないよねえ。真司ひとりっきりの世界…暑苦しいわ寂しいわ。
そしてゴッドドクター候補生たちはまあいろいろ欠陥があるってところが徐々に露呈してくる訳ですが、なんとなくそこにも感情移入しがたい感じで…なんかべらべら喋りすぎなんですよね。あんまり語られたら「あ、そうですか」ってなっちゃうのでもうちょっとニュアンスで表現してほしかった。そんな中一番感情移入できたのがギョンギョンなのに…なんでバッドエンドなのさ…。
で、大落ちまでの伏線ももうちょっとあった方が面白かったんじゃないかなあ。「わかりやすいけど唐突」という、あまり望ましくないパターンにはまってしまってたような気がします。

役者さんは。ギリジンはなんかふつーにまともっぽさが出てて、この役としては良かったのかなと思います。一回コントで見てみたいけど。石田ひかりさん、い、いくつですか!かわいすぎるでしょう!犯罪犯罪!いや、正直こんなかわいい人だとは思ってなかった。対照的なのが遠山景織子さんですが。この人すんごい美人なのに「ブサイク」を演じきってましたね。思い切りましたねえ。でもこの役柄の中では一番好きでしたよ、後ろ向きな所が。松村雄基も、いくつなんだ…。サイボーグかあの筋肉質。しかしエロスの権化な感じは出てましたね。で、スクールウォーズ山下真司。三面刑事まんまでした。ちょっと滑り感が…。いや、そこが面白かったというのもあるのですが。
あれ、役者さんだけ感想言うと結構誉めてますね。んー、やっぱり脚本なのかなあ。演出も、ダンスが中途半端だったりってのがちょいと気になったり…やるならやりきっていただきたいなと。

で、途中の休憩時間に、客席やらロビーで若手芸人さんがスポンサーにちなんだお芝居されてて、そういうサービス精神はすんごく好きなのですが、如何せん落ち着かないんですよね…トイレに行っててほとんど見てないのが申し訳ないし。そしてざわざわしてるから聞き取りにくいし何やってるのか分からないまま終わっちゃうし。なんかもっといい形で見せていただけると嬉しいんですけどねえ。