青春ってば青春ってば「バタアシ金魚」。

こないだユニクロにふらりーと立ち寄って「あらまあマンガTがいっぱーい」とぼーっとしてたら、な、な、なんと!「バタアシ金魚」Tシャツが!きゃー!なんで?なんで?なんで今これ?と問うてもユニクロの戦略性を答えてくれる人などいないけどとにかく私のハートはがっちりこと掴まれたので、とりあえず店員さんに「こっ、これのSサイズを…」とお願いして倉庫から持ってきてもらい、柄違い2着購入。なんだこの幸せ。
まあそんなこんなでうふうふっとした気分になり、実家に帰ってバタアシ金魚取り出してちょっと見てみました。
いや、いつ読んでも「FLASHBACK!」の回は最高。「死にそうな思いで言ってんのに…」というソノ子に、最初の「平然じゃないのよ」のカオルが被ってくるところ。「恋」!だ!もう、こんだけコメディーに走りながら、最後に素晴らしいラブストーリーにしてしまうところが最高だ。それを言われたカオルが茫然としてるのもいいです。相手が自分と同じ気持ちになろうがなるまいが想いの丈をぶつけ続けた結果、向こうも自分と同じ気持ちになって。天にも昇る出来事なはずなのに、ダメもとガンバリズム精神がこびりつき過ぎていて突然の幸運にただただ信じられない顔。もうーもうー青春だなあ。
何にも考えずに、「がんばってれば何でもできるんだー!」っつって周りに迷惑千万ぶっかけながらほんとになんとかしていってしまう、なんとかなんなくっても「なんとかできる!」っつってひたすら近未来に向かって突っ走るカオルに、きっとこれを読んでた高校生の私は恋してましたね。私のヒョロヒョロマン好きのルーツはここにあると思います。や、あれだけ練習してるんだからそれなりに筋肉あるはずなんだけど、ここはひとつひょろひょろってことで収めておいてください。私のドリームを壊さないでやってください。「バタアシ金魚」は、いうなれば、私にとっての「卒業写真」(byユーミン)みたいなものです。悲しいことがあっても陽に焼けまくったマンガの表紙開いてカオルに時々叱られたら元気が出るんです。
望月峯太郎さんの絵柄も、この頃のが一番好き。たぶんその後の方が上手いんだろうけど、バタ金のころのゆるくて軽いながらもディテールのしっかりしたところなんかがお話にもよくあってて。おしゃれですよね、そして。
そんな私ですので、「お茶の間」読んだ時はかなりショックでした。カ、カオルが水泳してないなんて…リーマンなんて…所帯じみちゃうなんて…そして絵柄も重くなってる…ずーんずーん…読み進めるほどに沈む心。同窓会で会った初恋の人を見て「いやちがう、こんな人じゃなかった、私の好きな人は…」と思う時の気持ち。変ってないプーだけが救い(なんか賢くなってたけど)。まあ最後はホッとしましたが。だってさ、あの「近未来」がやってこないなんて、悲しすぎるじゃないですか。私の大好きだったカオルには常に光り輝いてもらいたいもの。
ユニクロ、次の望月作品シリーズはなんだろう…。やっぱ、あれかな、ノブオかな…。プリントで斑点部分がボコボコっとしちゃうのかな…ひいいっ、怖いっ!でも、でも、呪い覚悟で買っちゃうな…絶対着ないけど。