まるで女子気取りか「チェコアニメ映画祭」。

女の子友達と二人でチェコアニメなんでまるで文化系女子じゃーん、と普段しなれないことに若干テンションも上がり気味で、てろりんとしたスカートはいてメガネかけて(メガネは普段からなので無いと困るのですが)待ち合わせ場所にでかけたら、友人も同じような格好で仰天しました。
文化系女子ファッションというジャンルは確実に存在しますよね。本人がいくら個性だと思っていても「文化系女子」のイメージを感じてしまったが最後、それはその人自身の個性ファッションではなく文化系女子カテゴリーの中のファッションになってしまうのでしょう。京都にいた頃はそういうファッションを「みなみ会館系」と勝手に呼んでいました。ちなみに私の思うみなみ会館系は、「ひっつめお団子髪+個性派メガネ(赤縁多し)+首に巻物」です。今日はそれのコスプレに近い格好で、「文化系女子」を気取った女子というにはちょっち妙齢な女、になってみたのでした。私の中のお洒落なんて全部コスプレです。
話が逸れましたが、映画です。私は、小学生の頃読んだカレル・チャペックのお話がアニメになっているのを見るのが最大の目的だったのですが、その他もいろいろありました。
・「宿無しルンペンくんの話」:これです、昔読んでました。そうそう、こういう話でした、この絵でした。しかし今見ると結構ひどい話だよなあ、無実の罪で1年と1日拘留されてんだからなあ。でもラスト、長めにほのぼの楽しかったので救われますね。ルンペンくん、いい奴だよ。
・「動物が好きな男」:これは…凄い。今回、これを見られたことが、最大の収穫です。魚?も犬?も猫も動きや表情が胸をわしづかみにされるほどに非常に素敵なのですが、何よりおじさんです。愛しいというか哀しいというか。坂口安吾の「文学のふるさと」を思い出しました。泣いてよいのか笑えばよいのか。しかし続きがあると知ってほっとしました。
・「わらべ歌」:山羊がエロい。しかし49年の作品ってのもすごいな。
・「ちびトラちゃん」:まあ、可愛い。チェコ版「モチモチの木」だわ。ママトラの目がお花型になってるのが素敵。
・「復讐」:この美術、「動物が好きな男」と同じシュチェパーネクさんって人なのか。全く違いすぎて俄には信じがたい。一気にブラックな話にあわせた線になっている。それにしてもかっこいい。これ60年代の作品かあ。しかし馬鹿な私は最初の方がよく分かっていなかったのでもう一度見直したい。
・「エンド・オブ・ザ・キューブ」:線でこれだけ世界が広がるってのが、アニメのいいところなんでしょうな。
・「メディア」:風刺が怖い…。地球儀を破いて中から肉を取り出すところ、ゾッとしました。
・「バイオリン・コンサート」:音と映像。しかし下手だった訳でもないのに最後音を掃除機に吸い込まれたヴァイオリニストは何の咎があったのだ。
・「ことば、ことば、ことば」:老いた給仕がかわいそうだ。

しかし、「わらべ歌」も「メディア」もいっしょくたに「チェコアニメ」でくくってしまうのはどうなんでしょうね。確かにどこか共通する洗練された空気は感じるんだけど。海外に行ったら「ジャパニーズアニメ」とか言って世界名作劇場も土6も同じ括りで語られるんだろうか。
まあでもどれも質の良い絵本が動き出したかのような作品で、新しく「好き」と思える作家とその作品に出会うことが出来たので、そういう括りでやることに意義はあるんでしょうね。