そこまで絶望させたくなかったのかしらん「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」。

原作が面白いやつって映画みてあれー?となることが多いもんですが、これは映画も結構面白かった。
原作読んだ時は澄伽のエキ子さんっぷりばっかりに気がいっちゃって清深ちゃんかわいそうに、まあまあ最後で一発逆転だわ、という受け止め方しちゃってたんですが、映画で改めてみると、清深、最初から結構な怖い子だわ。実は原作のほうが怖いエピソード多いんだけど(日記の覗き見とか恨みの電話とか)、映画の「実名での漫画賞投稿」見て「おそろしい子…!」となりました。ずっと自分の武器を研ぎ続けてたんですね。それに気づけてよかった。
ラストシーンだけ原作とちがうんですね。んーーーー、まあ確かに原作のままだとあまりに救いないかもだけど…。どうだろうな。「澄伽の話」だとすると原作の突き放した絶望的な感じで見てみたかった気がするけど、「姉妹の話」とすると映画版の方がよいのか。難しいな。でも原作のが好きかも。
役者さん、みんなうまくはまってて良かったです。サトエリちゃんはそのまんま、って感じで。清深役の子も、もうちょっと貧相でもいいけどいい感じでした。待子さんが永作さんで、いや、待子さんあんなにきれいだったらだめだろう、と思いましたが意外と違和感なく気持ち悪かった。最悪エピソードが省かれてたからそんなに違和感無かったのか?ま、確かにあれで待子さんがど不幸でリアルに不細工だったら目も当てられないだろうしな…。その方が絶望感は深まっていいかもだけど。なんだかんだ、映画のが疲れない、というかしんどい部分を薄めてうっかりと見やすいつくりになってましたね。でも絶望要素も0にはなってなかったのでそれはそれでいいです。
あ、漫画雑誌が「ホラーM」だったのがちょっと面白かったです。そして清深のマンガ、読んでみたい…あの絵、なんか気になります。