今年読んでたその他の本。

マンガだけじゃなくて本も結構感想書いてなかった。とりあえず覚えてるのだけ羅列。

川上弘美「真鶴」
んー、川上さんのなかではあまり好きではないかも。曖昧さとか女の感覚とかに重きを置きすぎてるような。


森見登美彦「四畳半神話体系」
スペインで読んでフランスに置いてきました。マドリッドの青空の下で読むには似合わない本でしたね。内容は、「太陽の塔」のほうが切羽詰ってて好きですね。巧いな、とは思うけど、なんか余裕を感じてちょっと腹たつ。あと、内容とは関係ないけど文庫の表紙がだめだと思う。「ジャケ買い」ならぬ「ジャケ不買」を起こしそうになった。


米澤穂信「春季限定いちごタルト事件」
あまりミステリ系は読まないので謎解きがどうとかいうのは割とどうでもいいのですが、今のところあまり主人公たちを好きになれていないかも。続編を読んだら背景が分かって好きになれるのかな。あと、高校生の男子が「尼そぎ」という言葉で女子の髪型を表現するだろうか、と妙に気になった。「おかっぱ」でいいじゃないのさ。


古川日出男「13」「二00二年のスローボート」「LOVE」
この辺は大体「沈黙/アビシニアン」でなんとなくは感想書いたんでまあよし。どれも面白かったです。


桜庭一樹「赤×ピンク」「ブルースカイ」「推定少女」「少女には向かない職業
この辺も大体「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」と感想かぶりますね。女の子の、友情、と呼ぶほどに甘ったるくない、自分と相容れないところもあるけどどうしようもなく惹かれるところもある、愛するためにも憎しむためにもお互いを必要としているような関係を描かれるとどうも弱いです。


絲山秋子「逃亡くそたわけ」「袋小路の男」「スモールトーク」「沖で待つ」「ニート
「袋小路の男」がすごくよかった。もどかしいけど、それが「好き」なんだな、と。「沖で待つ」も良かった。「同期」の感覚をこんな風にかかれちゃったら、ねえ。同録の「勤労感謝の日」も良かった。「スモールトーク」はちょっと車の説明が長すぎてどうでもいい気分になった。女性の容姿の説明が長い事と同じなのかも知れんが。「ニート」は同録の「愛なんていらねー」を食事前に読んでしまったという負の印象が強すぎて…その他のは好きなんだけど。「ばかもの」も読んでみたい。


森博嗣スカイ・クロラ」シリーズ(文庫になってる5冊)
映画見る前に、と思って読んだのに、結局映画を見そびれた。読んでるときは引き込まれてぐんぐん進んだんだけど、読み終わってから「???」が多すぎて…解釈お任せします、なんだろうか?でも結局どの解釈しても「スカイ・クロラ」の結末に行き着くんだよねえ…。救いなんか求めてないんだろうけど救いのない話です。「スカイ・イクリプス」読んだらもうちょっと「?」分は解消されるのかな?あ、そういえば「ダウン・ツ・ヘブン」読んでる頃に、電車で隣の席に座った人が「スカイ・イクリプス」読んでて、「これは何かの運命かも!」と思い、文庫のカバーをはずして「私これ読んでます!」アピールしたけど何にもありませんでした。むしろ「何こいつ落ち着きないな」という顔されました。まあそうだね。


本谷有希子腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「江利子と絶対 本谷有希子文学大全集 」「生きてるだけで、愛。」「ぜつぼう」
どれも面白かったです。「生きてるだけで、愛」「ぜつぼう」を読んだ頃「逃亡くそたわけ」と「クワイエットルームにようこそ」(あ、これも読んでたや)も読んでて、「なんで最近オーバードーズな話ばっかりなんだ…」と思った覚えが。仕掛けとしては「腑抜けども」が面白いんだけど、主人公のエキ子の内面描写とか、ラストの感じは「生きてるだけで、愛。」が好きです。あ、そういえば「幸せ最高ありがとうマジで!」見たしばらく後に、電車で隣の席に座った人が、その脚本の本を読んでて、「これは何かの運命かも!」と思い、不自然に本を覗いてみたけど何にもありませんでした。むしろ気持ち悪そうな顔されました。まあそうだね。


えー、まあ、本との出会いも運命だと思うので、そういう運命が来年も沢山あればいいな、と願っております。以上。