年末年始は乙一で過ごしました。
つっても「ZOO」「GOTH」「夏と花火と私の死体」の3作品だけなんすけど。
「ZOO」が分冊されてるんですが、一冊目をみてどうしても「樹海少年ZOO1」を思い出して手に取ることが出来ず今まで過ごしてきました。でも思い切って手に取ってみたら樹海少年とは何の関係もありませんでした。そうよねー。
1作1作よくこんな設定が思いつくもんですな。いや、まあ、細かく考えていくと「それは無理がないかね?」とも思わんでもないものもあるんですが、それでも納得させられるパワーがありますね。それは何かというと人の気持ちですかね。私は基本的に推理ものでもトリックなんかどうでもいいタイプなので、ロジックとかよりも共感できるところがあるかないかで好き嫌いを決めてしまうきらいがあります。そういう悪い意味での情緒的なのは良くないのかもしれませんが。まあそういう構えで読んでいる身としては、推理小説としてどうであろうと人の心の部分で面白ければオールオッケーです。なんとなくプラン9の本公演、というか久馬さんが書きそうなブラック&捻り様だなと思いました。
その次「GOTH」ですが、これも半分ぐらいは最後で「えええっ?」と仰天させられました。特に「犬」と「声」。「語り部とはかくあるべき」というこっちの思い込みの上を来られると悔しいです。しかし「声」で少し垣間見えた「僕」の無意識のクラスメイトとの会話ってどんなんなんだろう。それを思うと薄ら寒いです。そして哀しいです。
で、「夏と花火と私の死体」。これ17歳の作品ですかー。はーん。これもまた「語り部」へのこちらの思い込みを飛び越えてはりますね。この人こういう騙し絵のような作品作るの上手いですね。しかし、緑さんの喋り方、あれはないでしょう!いとこに対して「君」と呼びかけたり、「○○だぞ」なんて喋る19歳女子いるもんか。まあ最後まで読めば緑さんのその嘘臭い喋り方も嘘臭くて当然、と思わなくはないが、にしても「だぞ」は無かろう。そして一介の従業員の入れる場所で良いのかそれは。あと、同時収録の「優子」はちょっと夢野久作っぽい。主治医が主人公たちの事を哀れんでよく喋るところとか。
まだまだ既刊があるので、なんかサクリと面白い本読みたいときには他の作品を買ってみましょう。