老いたらかく在りたし「のんのんばあとオレ」。

昔ドラマ好きだったなあ。そしてそのころ妖怪も結構好きだったなあ。妖怪事典みたいの読んで、「便所入道」なる妖怪に恐れをなしてトイレに入りながら「便所入道ホトトギス」と謎の呪文を唱えていたものです。そのころから水木しげる先生に親しむ下地はあったのになあ。なんであんまり読んでなかったんだ。残念。
それはともかく、のんのんばあ、言うことがいちいち含蓄があっていいなあ。特に千草さんが死んだ後の魂の話。「人の心はなあ、いろんな魂が宿るけん成長するんだよ」と、千草さんの死に落ち込むしげーさんに話すのんのんばあ。いいなあ。そうか、人と別れて心がずしんと重くなるのはその人の魂が心にやどってくれているからなのか。なんと人の悲しみを癒す言葉だろう。この気持ちはあの人の魂だ、と思えるなんて。子どもの悩みに対してこんなに分かりやすく真剣に答えられるばあさんになりたい。霊は見えませんが。あと、お父さんも、もちろんしげーさんもよいです。しげーさん、小学生やのにおっとこ前やなあ。お父さん、すぐ会社クビになるのは困りものですが。
そういえば、うちのじいさんがむかし山を歩いていて「ひだる神」に憑かれた、と言っていた。急に一歩も動けなくなったけど、キャラメルをひとつ口に入れたらまた急に動けるようになったらしい。なんだろ?と思っていましたが、飢え死にした旅人の怨霊だったのか。もう少し愉快なビジュアル(小豆あらい的な)を想像していました。しかも大きくなってからは「血糖値が下がりすぎたのでは?」とか思っていました。怨霊なんてそんな恐ろしいものだったとは。しかも死んでしまうこともあるとは。じいさんがキャラメル食べてくれたから今の私があるのだ。ありがとうキャラメル。